ペルシャの絨毯はその成り立ちから遊牧民がルーツの部族絨毯と都市部の人々によって織られる所謂ペルシャ絨毯の2つのグループに分けられています。
紀元前数千年前から手織絨毯は羊飼いの人々によって発明されて織られて来ました。其の後その技術が町で定住する人々に伝播してその土地土地の人の宗教や文化・気候などと密接に関りながら独自の意匠・特長を持つ絨毯へと発展したと考えられます。
部族絨毯も都市の絨毯も作業の基本は同じですが、部族絨毯は元々自分達の為に作る物ですのでデザイナーに拠る図面も無く大らかな作りです。一方都市の絨毯は図面通りに王様の為、お客様の為に作る物ですので、一目一目間違いの無いように作られます。
遊牧民の絨毯(部族絨毯・トライバルラグなどの呼び名)
概して遊牧民の絨毯は家族総出で原料の調達から染色・織機の整経・織り・仕上げ迄行うのが基本でした。人気のギャッベ絨毯やアフシャル族・ヤラメー族、バローチ族などが織る絨毯がこれを代表する物です。
町の定住者の絨毯(都市の絨毯・イスファハン,カシャン,タブリーズ,ビジャーなど)
対して技術を学んだ町の定住者によって織られる様になった絨毯は今にちでは多くが野球のチームの様に分業によって進められてます。
①まずデザイナーによって図面が作られますと現場監督の様な位置付けのオスタード(教授)の指示のもとに次の様な作業が進められていきます。
②染色師に拠る糸染め
③整経師による織機の経糸の張り込み
④織師による織り
⑤仕上師による房や縁の仕上げ
⑥洗い師の水洗いによる最終仕上げ
手結び手織りの絨毯は④織り手(バーファンデ)の苦労ばかりが注目されますが、良い絨毯が完成するには①から⑥迄全てが揃わないとなりません。勿論織り手の費やす作業時間は途方もなく膨大で大変な作業なのですが、特に見落としがちな③や⑥が本当に重要で絨毯の良し悪しを決定する重要な作業なのです。
お使いください!!手織り絨毯
フロムギャッベ