これからの季節、日本ではウールの絨毯をしまって井草の敷物や籐網代・籐むしろ・竹皮のカーペットなどを梅雨時から秋に掛けてお使いになる習慣が残って居ります。木造建築が主流でエアコンも無い時代、高温多湿の日本の夏を過ごすのに素晴らしい習慣の一つですね。
こんにち、建築自体が大きく変化してエアコンを使い密閉性を重視するようになりました。
手織り絨毯は一年中敷いたままであればまず問題ないのですが、湿気の多いこの時期に汚れたまま丸めて通気性の悪い処にしまうと虫喰いの危険性が高まります。元々ウールは天然繊維で虫にとっては美味しい食べ物です。その上人間の皮脂やふけ・食べこぼしなどが付着していれば格好の餌食です。
新品の手織りウール絨毯は出荷前現地で数回洗う時に、虫除け効果のある洗剤を使ったりバーナーの火で焙ったりしますが、効果も数年でしょう。
現在、手織り絨毯はエアコンの効いたお部屋で一年中お使い頂くのがベストですが、もししまい込む時には
①専門の絨毯クリーニングする。
②上記①が出来ない時には下記の様に
ィ:天気の良い日に両面に掃除機をかけてゴミを取り除いてから良く絞った湿ったタオルで表面を拭いて天日干しして良く乾燥させる。
ㇿ:ナフタリンを巻き込む。
ㇵ:通気性の良い場所に保管する。
などの注意を怠らないようにしましょう。皆さんもウールのセーターを夏・秋の間しまって寒くなって着用したら穴が開いていたなんて経験はありませんか?
大変ですが、高価な手織り絨毯が虫に喰われるのは本当に残念です。修復すると費用が結構掛かってしまいます。湿気の高い日本の夏の注意しなければならない事の一つです。これから10月迄は要注意です。ご心配な方は試しに一年中使ってみて下さい。
*お客様より絨毯のお手入れに粘着性の通称コロコロを使って良いかと聞かれますが、使わないで下さい。掃除機や櫛などの方がベストです。(犬用の櫛が遊び毛の多くて毛足の長いギャッベ絨毯に有効です。毛足の長いギャッベ絨毯を買われたら一つ持っていると便利です。)
お使い下さい!!手織り絨毯
フロムギャッベ