最近良く耳にするのが<ヴィンテージ>です。ヴィンテージ・カーペットはじめヴィンテージ・カー、ヴィンテージ家具、ヴィンテージ・ウォッチ、ヴィンテージ・デニム、ヴィンテージ・ショップなどなど・・・
とても心地良い響きなので今日やたらと使われるようになった<ヴィンテージ>と言う言葉ですが、元はワインについて「これはヴィンテージ物ですよ!当たり年のワイン、年代物の品ですよ!」みたいな使い方をしていたのが転じて色々な古いものに使われるようになった様です!! いつぞや軽井沢のお店で皮革製品を眺めていると販売員さんに「ヴィンテージ風に仕上げていますから!!」と言われ、最近ウェブサイトを見ていると「30年以上時を経た物で、価値あるものをヴィンテージラグと言う、、、」何某と有りました。・・・誰が決めたんだ~と思いますが、ヴィンテージ風やヴィンテージ仕上げを含めると兎にも角にも新品も中古も皆ヴィンテージになってしまう程の人気です。言葉は生き物ですからと言えばそうなのですが!
日本の手織り絨毯市場も擦り切れた遊牧民系の絨毯をヴィンテージとして売っている事が本当に増えました。昔から100年程経つとアンティーク(骨董品)・価値の有るものとして扱われる習慣が有りますが、かつて日本で中古品・ユーズド・オールドであったものが<ヴィンテージ>と言う呼び名に何時の間にか変化した様です。勿論アンティーク未満の経年の品でもタブリーズ・カシャーンやイスファハンの古い絨毯などヴィンテージ(年代物の価値あるもの)と言うに相応しい物も沢山有りますが、何もかもがヴィンテージになりました。
欧米では、建築物をはじめ物は経年すると味(価値)が出るという価値観と単純に安いのでと言う二つの理由で手織り絨毯も古い物の需要が昔から高かったようです。まさに一石二鳥です。
ペルシャもカジャール朝時代の経済が疲弊した頃と欧州のオリエンタルブームが丁度重なって1800年代になるとペルシャ中のアンティーク品から中古のペルシャ絨毯までタブリーズに集められて欧州に輸出された様です。最後には輸出するものが足りなくなってしまい英国商社がイランに絨毯工場を作ってアンティーク風ペルシャ絨毯を作らせる様に成った程だそうです。そういえばインドネシアで知り合った青年のお父さんも家具類やら仏像などを薬に浸けたり土に埋めたりして古めかしてから欧米に売る仕事をしているとの事でした。又、大分前ですが(20年経つかな~)テヘランの絨毯商から聞いた話ですが、新品は主に日本とロシアへ、中古品はドイツを筆頭にヨーロッパへ沢山輸出されるとの事でした。時代の移り変わりと共に日本人の物に対する感覚も欧米化してそのうちに欧州の様に<ヴィンテージ?>が主流の時代になるかも知れません。土足と裸足と言う住宅環境の違いが有るので欧米程では無いと思いますが、、、、どうでしょうか?
現在店頭に幾らか並んでいる1970年代~のバローチ族の絨毯や1930~60年代の昔遊牧民がテントで使っていた古いキリムも明日はヴィンテージ?

*実は昨日、祖師谷店の隅に置いてあった
<1970年代のアフガニスタン・トライバルラグ・125x195cm程>
を手にしたお客さんと次のような会話を交わしました。
私「それは50年くらい前の古いもので6万円です。」
お客さん「えーヴィンテージの割には安いのね~」
私「ユーズドですから」
お使い下さい‼手織り絨毯
フロムギャッベ