
1940年頃のトュルです。 イランのギャベにも良くあったチェッカー、フラッグの様なデザインです。
1980年頃に初めて見たイランのギャッベ絨毯を思い出させる絨毯にトルコのトュルと呼ばれる絨毯が有ります。トルコには野菜をごった煮したトュルルという料理もあり、間違えてしまいそうです。そういえばトルコの正式名 もトュルキエになったとの事です。
かつて1930~1960年代 の古いトュルを見掛けるとギャッベ絨毯と間違えましたが、近年は日本のデザイナーにも人気の有るモロッコのベニワレン絨毯のデザインをコピーしたトュルが作られているようです。トルコの古いトュル絨毯はイランのギャッベと見間違えましたが、現在はモロッコのベニワレンと見間違えてしまう様です。 トュルはトルコのニーデ、カイセリ、コンヤなどアナトリア中央部で遊牧民がテントの中で寝具として使った名残を持つ毛足の長いウール100%の絨毯 Sleeping Rug です。
ちょうどイランの昔のギャッベや北アフリカのベニワレンやスカンジナビア・ヴァイキングのラグのように毛足が4~6cm以上はある所謂シャギーラグです。
中央アジアや西アジアの山岳地帯の厳しい環境の中で暮らす人々にとっては快適な睡眠を約束してくれる保温性の高いウール製のシャギーラグは必需品でありました。元々遊牧民の女性たちが、結婚や出産を機に作った物の様ですが、長老から赤ん坊までテントに敷いて快適に眠りに就いたことでしょう。サイズは一帖から一帖半ほどの物が多いようです。
スリーピングラグは宮殿やモスクといった壮麗さとはかけ離れた実用本位の物ですので素朴で単純なデザインの物がほとんどです。三角四角の幾何学基調に自然由来の星や木、動物モチーフのデザインといったところです。
本来のトュルは成り立ちも意匠もギャッベに非常に似ていてまるで兄弟か従弟のように感じます。

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