

Daghestan Russia 1960

Erivan Russia 1960 Wool

Derbend Russia 1960 wool

Tekke-Bochara Russia, 1960 wool

Schirwan Russia wool 1900

Borgdalu Russia wool 1890

Gendje Karabagh Russia wool 1890

Gonaghkand Russia wool 1910

Moghan Russia wool 1910

Kazak Russia wool 1900

Boborolu Russia wool 1920

Yomuth Russia 1940 Wool

Baku Russia 1920 Wool

Guba Russia Wool 1920 (Gubaは現在のアゼルバイジャンの北東カスピ海に近い町)
上記の様に古い手織り絨毯に何処どこロシア製と表示されていることが、時折り有ります。
ロシア帝国は18世紀後半にバルカン半島へ南下すると19世紀前半のコーカサス地域への進出,19世紀後半には中央アジア諸ハン国の征服と続き、コーカサスや西トルケスタンの古くからの手織り絨毯製造地域の多くがロシア領になりました。その様な理由で主にソ連邦が崩壊してそれぞれの地域が独立する迄にこの地域で作られた絨毯はエレバンRussia、カラバフRussia、カザックRussia、シルバンRussia、バクーRussia、タゲスタンRussia、デルベントRussia、ブハラRussia、ウズベキスタンRussia、ヨムートRussia、テッケRussiaなどと表記されていることが有ります。
*ヨムートとテッケはトゥルクメンの部族名です。他は全て地名です。
現在もロシア領内に留まっているのはデルベントを擁すタゲスタン共和国のみではないかと思います。ロシアは寒く絨毯は必需品ですので、現在もタゲスタンRussia絨毯は生産されています。

Darbend Russia 1920
1960年前後ソ連のフルシチョフ時代に安価な鉄筋コンクリート製アパートが沢山都市部に建てられる様になり人口の増大に応えたそうですが、余りにも薄いコンクリート壁で出来ており防音と防寒の為にアパートの人々はウール製絨毯を壁にも掛けるように成ったという面白いサイト(ロシアンビヨンド)の記事を読んだ事が有ります。
中世よりヨーロッパでも高級な手織り絨毯(トルコやペルシャ)を壁に掛ける習慣は有りましたがそれは貴族や大商人らが目を見張る装飾品として、ステイタスを示すものとして壁に掛けたのでしたが、ロシアのフルシチョフ時代のそれは極寒の地に建つ粗末な薄壁の鉄筋コンクリートアパートの防寒や防音の為に使われたというのは面白い話です。
又、壁に掛ける絨毯もペルシャやトルコの高級品ではなく、ロシア領中央アジアのトゥルクマンなど実用的なものが主に使われたようです。それでも手織り絨毯ですので高価なもので有った事でしょう。 数十年前の話ですが、イランの絨毯商にヨーロッパやアメリカはユーズド・アンティーク好みで新品絨毯が好きなのは日本とロシアですよ。と言われてから何と無くロシア人の絨毯の扱い方が、気になっていましたので一つ良い勉強になりました。
最も防寒・防音対策としてのロシアの絨毯の使い方は遊牧民本来の使い方に適って居ますね。
やはりロシアのような寒い地域ではウールの絨毯はなくてはならない存在の様です!

お使い下さい!!手織り絨毯
フロムギャッベ