手織り絨毯を伝統工芸に持つ国々の切手には時々絨毯がモチーフの物が発行されます。
トルコ・イラン・アゼルバイジャン・トゥルクメニスタン・モンゴル・パキスタン・セルビア・モロッコなどなどで、、、。
バルカン半島のルーマニアの絨毯モチーフの切手を見つけました。
ルーマニアは手織り絨毯製造国としてペルシャやトルコの様に有名では有りませんが、切手になるくらいですので絨毯に対して自国の伝統工芸としての誇りを持っている様です。日本ではルーマニア刺繍布は見掛けますが、手織り絨毯は殆ど見ませんね。

ルーマニア 1975 絨毯切手 左;Muntenia 右;Banat

ルーマニア 1975 絨毯切手 左;Oltenia 右;Moldova

ルーマニア 1975 絨毯切手 左;Oltenia 右;Maramures

ルーマニア地図
ルーマニアは以前投稿しましたブルガリアと似た歴史を持つ国で手織り絨毯・キリムを作る南東ヨーロッパの国です。バルカン半島は古くからローマ帝国・ビザンチン帝国(395~)・オスマン帝国(1299~)の支配下で影響を受けた国々の地域です。絨毯作りもヨーロッパで有りながらトルコ系文化の影響でしょうか?
ルーマニアの北東部のモルダビア絨毯と南部のオルテニアン絨毯などが有名で赤青緑に白黒と言ったハッキリした色使いで薔薇を中心に鳥・樹木といった自然をモチーフのフローラルデザインが、特徴的です。素材はコットンベースにウールパイルです。ドイツ土産のフェイラーの薔薇のシェニール織りと何となく雰囲気が似ている気がします。

Aubusson-style Romania wool on cotton 約205×140
キリムはまさしくトルコのギョチメン(移民)やシャルキョイと呼ばれるキリムのルーツですね。幾何学模様や稲穂や生命の樹に鳥などの繊細で流麗なデザインです。

ルーマニア

antique anatolian kilim
調べたら下記のサイトで絨毯・キリムがヴィンテージ品として販売されています。

手織り絨毯 フロムギャッベ
*トルコキリムの一つにバルカン半島のトラキア地方セルビアトルコ・ルーマニア・ブルガリア辺りがルーツの人々によって織られるギョチメンリック(移民)キリムと呼ばれるものが有ります。ギョチメンやシャルキョイ(地名)と呼ばれるトルコAnatoliaキリムの曲線基調の流麗なデザインの源はどうもバルカン半島にある様です。