ペルシャ絨毯・ニセモノor本物ですか?

手織り絨毯

ペルシャ絨毯にはニセモノor本物ですか?は付き物です。ゴッホやモネの絵画程ではないにしてもそれだけ高価な物であるという事なのでしょう。
ロンドン発祥の権威あるオークションハウスでも32億で落札されたサイクルリーフ絨毯を筆頭にサファビー朝の名作には数億円~10億円で落札されることは多々ある事です。

確かにお客さんより買取して貰えないかとの依頼の品は勘違いなのか、騙されて購入したのかは定かで有りませんが、所謂ニセモノが不思議な程多い事も確かです。
イランで作った絨毯はペルシャ絨毯になりますので①例の半機械半手織りのシルク製ペルシャ絨毯素振り君も②本来は縦糸2本に一本結ぶパイルを縦糸4本にまとめて結び付けてしまう手抜き結び絨毯も③ウィルトン織りの機械織り絨毯・・・・・も広い意味ペルシャ絨毯になります。
上記のような品も偽らずに販売されれば良いのですが、余りにも本家本元の絨毯と勘違いさせるような悪質な販売手法で売られているのも確かです。
又、もう一つの問題は国に拠る物価人件費の高低が手織り絨毯の価格を大きく左右しますが、中国など現在人件費の安い地域で作った絨毯を現在人件費の高いトルコやペルシャの絨毯と偽って販売されていることです。

これは機械で織ったクムシルク風のレーヨン製絨毯ですから価格は10分の1ですよ!イギリスで発明されたウィルトン織りの絨毯ですよ!ペルシャと同じデザインの中国の手織りシルクですよ!と正々堂々と売られないと販売される絨毯も可哀そうです。きっと肩身の狭い思いをしています。
先の絵画などの美術品や時計やバッグのブランド品などと一緒で高価な手織り絨毯には確かにニセモノ(コピー品)は存在しますというか本家本元と勘違いさせるような売り方をする業者が存在しますという事です。

*現在盛んに販売されている半手織り半機械のレーヨン製クムシルク風絨毯が中古市場に流れたり、国内外の有名オークションハウスでさえ誤ってペルシャ絨毯として出品してしまう中国製ペルシャデザイン絨毯が古くなって修繕されたりして中古市場入りすると手織り絨毯の中古市場はさぞ混沌としたものになるでしょう。これから10年も経つともっと見分けるのが、大変です。
*こんにち新疆製ペルシャ柄絨毯はイーストペルシャの名で売られています。
新疆ウイグル自治区はかつて東トルキスタンと呼ばれた地域で面積は日本の4,5倍もありロシアや
カザフスタン・タジキスタン・アフガニスタンなどの北・中央アジアと更に南下するとパキスタン・ネパール・インドなどの南アジアと国境を接する中国最西端・最大の自治区です。かつてシルクロードの重要地点敦煌を東へ数百キロメートルの位置に有しホータン・カシュガルなどで織られた東トルキスタンの絨毯はテュルク系幾何学模様の絨毯や中国の影響を受けたシルクロードらしい絨毯などが盛んに織られてサマルカンドを中継して異国に渡った様です。

*勿論ペルシャの有名工房の名を冠した元よりダマして高く売る為の手織りシルクの贋作も有ります。高価な物程贋作を作るメリットが有りますからね。現在シルクや有名工房の絨毯にはサインを入れる習慣がありますが、かつてより工房の差別化の為や製作年を残す為に絨毯の端にサインや年号を入れる事は時折有りましたが、1990年頃から日本人受けを狙ってしきりと入れるようになった習慣です。陶磁器の作家物を喜ぶ日本市場に影響された習慣です。後付けの偽サインも有りますのでサインで全ての絨毯を判断することも出来ません。一体どうしたら良いのですか~と10年後には叫びたくなってしまいますね!

*今や世界に冠たる日本の自動車産業もかつて欧米の車を解体してコピーした事と思います。韓国・中国の自動車産業も日本の車を解体して多いに真似した事と思います。コピー自体よりダマして売る方が、よっぽど問題有りと思います。

*最も完璧にペルシャ絨毯自体を鑑定できる人も今はイランにも一人もいないと聞きました。ペルシャ絨毯はそれ程奥が深い(結びは勿論、産地・年代・デザイン・素材・染料の違い)のですね~。

 


お使い下さい!!手織り絨毯
フロムギャッベ

タイトルとURLをコピーしました