絨毯工房は野球チームの様です。

手織り絨毯

手織り絨毯は元来遊牧生活をしていた人々が家畜の毛を刈り取り糸を紡ぎ織り家族で完結させる物でしたが、遊牧民のある集団は定住するようになり村や町を作るようになり、絨毯も次第に変貌を遂げるようになりました。更にサファビー朝の時代になると王様の保護奨励の下、宮廷やモスクの床を装飾したり他国との外交の貢ぎ物に使われるなど飛躍的に変化しました。これがタブリーズやイスファハン・カシャンなどで作られる所謂都市のペルシャ絨毯です。

こうした時代を経て現在ペルシャ絨毯の都市の絨毯工房は組織だった野球チームの様になっています。
プロ野球でもまず資金を握ったオーナーがチーム作りの全体像を描いて監督を選び其の監督が各選手を配置に付けて指示の下、試合を進めて行きますが、絨毯工房もよく似たように製作が進められて行きます。
絨毯工房でもオーナーが絨毯の構想を練って場所や道具・材料を用意しオスタードと呼ばれる現場監督の様な存在を通してデザイン・染色・整経(織機に経糸を張る込む事)・織り・仕上げ(シャーリングしたり、四方の縁の仕上げなどを行う)などの各職人を纏めて製作を進めます。

プロ野球の監督やコーチが選手を兼任するように絨毯工房オーナーが監督・デザインや織りなどを兼ねて行う事もあります。

プロ野球に置いて派手さは無いが、試合を左右するキャッチャーの様な重要ポジションが有るように手織り絨毯に置いても同じように整経師仕上げ師など絨毯の出来を左右する縁の下の力持ち的な存在が有ります。

幾ら良い材料を使って腕利きのバーファンデが織っても基本となる経糸がギターの玄の様に強くピンと真っ直ぐに張られていないと完成した絨毯は台無しです。洗いやシャーリング・縁かがりやフリンジなどの仕上げも同じ事です。絨毯作りは大変です。全ての製作場面で手抜きは出来ません。

プロ野球のピッチャーはデザイナー
クリーンナップトリオは織り子さんでしょうか?
でもプロ野球も絨毯工房も本当はどちらもチームプレイが一番大事なようです。

 


お使い下さい‼手織り絨毯
フロムギャッベ

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