バローチ族の絨毯を初めて見たのは1980年代後半でした。
1979年12月に開始された旧ソ連によるアフガニスタン侵攻後難民としてパキスタン側に逃れて来たバローチの人々が織った宝石の様な深いブルーが美しい絨毯でした。パキスタンの絨毯先生の一人から紹介されて当時卸売りをしました。
近年トライバルラグ(部族絨毯)と言われる遊牧民の絨毯がとても人気になっています。その中心を成すのがトゥルクメンとこのバローチ族の絨毯です。当時は本当にマイナーなコレクターズアイテムの様な存在でしたので今日の様に脚光を浴びるとは思ってもいませんでした。
バローチスタンと呼ばれた地域は現在のイラン・アフガ二スタン・パキスタンに跨る高原地帯を中心にインダス文明の古より明らかに言語や風習も違う遊牧民バローチの人々が多く暮らしていたことからこう呼ばれて居りましたが、第二次大戦後アジア諸国の独立の機運に際し英国の管理下から解放はされましたが、イラン・アフガニスタン・パキスタンと国境線を引かれてしまいました。この時バローチスタンも国として独立出来るところでしたがパキスタンの抵抗に遭い国として残らずにパキスタン最大のバローチスタン州としてその名を残しています。
古くはペルシャやインド・アラブに支配され13世紀にはモンゴルそして近世では英国や旧ソ連に翻弄されて来た歴史を持つバローチスタンです。
そんな歴史からイラン側に残ったバローチ族の絨毯は取引される地名からマシャドバローチとアフガニスタン側のバローチ族の絨毯はヘラートバローチと呼ばれて区別されています。国境線が引かれて70年以上の歳月が経ちますのでイランバローチ(マシャド)は赤が多く使われるようになり、アフガニスタンバローチ(ヘラート)は青が多く使われていて違いが現れている様です。
上質のウールを使いノマドカーペットとしては細かく(凡そ30ノットから50ノット位)織られており幾何学模様に鳥や鹿などの動物柄・お祈りの場所デザインなど様々なモチーフが有りますがサイズは幅60cmから110cm位で長さも210cm未満の小振りなものが多いようです。厚みは凡そ8mm~10mm足らずで携帯し易い厚みです。
これから益々人気が出そうな注目のバローチ族の絨毯です。
お使いください!!手織り絨毯
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フロムギャッベ