アフシャル族の絨毯

手織り絨毯

イランの遊牧系の部族アフシャルは戦闘的な面とキリムやパイル絨毯作りの名人と言う面を併せ持つイメージです。

afshar  around1910

 

 

アフシャル族も中央アジアのオグズを祖とするトゥルク系の民族ですが、12世紀末から13世紀に掛けてチンギスハーン・モンゴルの台頭により中央アジアからイラン北西部・トルコ・アゼルバイジャン辺りに移動を余儀なくされた人々です。
その後ペルシャ・サファビー朝の成立にキジルバシュに加わり貢献して政治的にも深く関りを持つようになりましたが、アッバス1世の死後衰退してアフガンやトルコに侵攻されていたサファビー朝を武力を持って再興したアフシャール族長のナディル・シャーは英雄でありますが、その後1736年にアフシャール朝(1736~1796)を起こした謀略家の一面を持っています。

サファビー朝の成立に大いに貢献したキジルバシュ・アフシャルですが、部族間の争いが絶えない事からケルマン州に強制移住させられてしまいますが、アフシャルの人々がスィールジャンシャハレババクにおけるキリムや絨毯などの担い手となりました。

Sirjan-AFSHAR around 1930, wool on wool  183 x 120

AFSHAR-Sirjan 1940, wool 172 x 120

 

今日ではイランの北西クルディスタン州ビジャーにおける高級品(アフシャル・ビジャー)とケルマン州で作る(ケルマン・アフシャル)が有名です。どちらの産地の品も高品質で知られています。そのデザインは中央アジアから出てホラサン・アゼルバイジャン・ケルマンと移動してきた歴史から色々な影響を受けて多くのパターンを持っているように思います。2017年にはスィールジャンの飾りキリムがユネスコの無形文化遺産に登録されています。

afshar 1910

AFSHAR around 1930, wool on cotton 150 x 117

 

時折見かけるので、アフシャルの伝統のデザインであると思いますが、変ったデザインです。角を持つ動物?と矢羽根が交互に繰り返されます。

 

シャハレババク 117×176㎝ ¥121,000


お使いください!!手織り絨毯
フロムギャッベ

オグズとはかつて中央アジアの北部で暮らしていたテュルク系遊牧民ですが、その後南下したりシルクロードを西進したり混血を繰り返しイラン・コーカサス・アナトリアへと移動していった人々の祖です。トゥルクメン族や・サファビー朝の誕生に貢献したキジルバシュ・アフシャルやギャッベ絨毯で有名なカシュガイ迄もがその祖先はオグズではないかと言われています。

タイトルとURLをコピーしました