
手織り絨毯は基本産地名で呼ばれますが、例外として織り手の民族やデザインスタイルでも呼ばれる事が有ります。
トルコ絨毯ヘレケやカイセリ、ペルシャ絨毯イスファハン、カシャン、マシャド、インド絨毯カシミールの様に産地で呼ばれるのが通常ですが、バローチやトゥルクメンなど民族名で呼ばれたり、ペルシャ絨毯ギャッベの様にスタイル名で呼ばれる事も有ります。
そんな中、アフガニスタンに珍しく個人名を冠した絨毯が有ります。アフガニスタンがソ連のアフガン侵攻(1979年12月24日~約十年)を受ける前の1970年代の安定した時代に北部の絨毯工房文化が最も成熟した中、アクチェ(Aqcha)にトゥルクメン・エルサリ族出身のカールモハンマドと言う卓越した技術を持つ絨毯職人が登場しました。アフガン侵攻以後の彼の消息など詳細は不明ですが、圧倒的な技術と革新をアフガン絨毯にもたらしました。その後も彼が確立した厳格な品質管理と製作技術は後継者達により引き継がれ今日も言わばカールモハンマド式絨毯スタイルとしてアフガニスタン北部やパキスタンとの国境付近で作られています。
その特徴は材料の質や織り、デザインは然る事乍ら最大の特徴は時間と手間を掛けた染色・色彩に有ります。織り糸の染色はアフガン北部の自然染料(茜の根・藍・クルミの殻など)を使いますが、特に光沢ある深紅の色はアフガン産の羊毛をミョウバン処理し野生の茜の根を粉末染料にし低温染め天日干しを3回繰り返す事で成せるとの事です。この地域の風土(乾燥・強い日差し)ならではの様です。デザインは通常のギュルの連続よりも複雑なデザインを採用し色彩を含めて華やかで、主に左右対称です。織りはウールの経糸にウールのパイルがトルコ結びでシッカリと結ばれて居り非常に丈夫です。ホジャ・ロシュナイ絨毯と共にアフガニスタンを代表する高品質絨毯の代名詞となっています。

アクチェの南東にカブールが見えます。 北にはサマルカンドやブハラが見えます。 アクチェとカブール間378km、 マザリシャリフへは110kmです。 マザリシャリフからウズベキスタンの国境は55kmほどです。


お使い下さい‼手織り絨毯
フロムギャッベ
*ホジャ・ロシュナイ(Khoja Roshnai)絨毯はマザリシャリフやキリムでも有名なマイマナで作られる高品質のトゥルクメン系アフガニスタン絨毯です。
*製作に多大な労力が掛かる手織り絨毯は平和下の産物です。生産地・消費地が双方平和でなければ絨毯どころでは有りません。ロシア対ウクライナの戦争が終らぬうちに米国を担いだイスラエル対イランの戦争も始まり長期化の構え、そして先日よりアフガニスタンのタリバン対パキスタンの戦争も始まりました。双方に言い分はあるのでしょうが、一日も早い平和を願います。油やガスの危機が報道されていますが、手織り絨毯も危機です。人類はもっと危機です。
