19世紀後半の ペルシャ絨毯 Serapi carpets 

手織り絨毯
1867年パリ万国博覧会会場

1867年のパリ万博にペルシャ絨毯が出品され世界的に公式デビューを果たすと欧州の貴族階級や大商人達が挙って欲するところとなり、更に1873年ウィーン万博、1878年、1889年、1900年と続くパリ万博を通してペルシャ絨毯は展示されて最高のオリエンタル芸術≪ペルシャ絨毯≫というブランドを確立しました。ペルシャ絨毯への憧れは貴族階級・富裕層から中流階級へ、フランスからイギリス・ドイツそしてアメリカへ波及し1900年代のペルシャ絨毯の隆盛期を迎えることに成ります。

イランの北西の山岳地帯アゼルバイジャン地方のへリス地域では古くよりバクシャイシュ・セラピ・へリスといった名で呼ばれる手織り絨毯が織られて来ました。欧米の本格的なアンティークカーペット店には3者3様に区別されて多数並んでいますが、日本のペルシャ絨毯市場で見掛ける事は、稀です。年代的には古くよりバクシャイシュ>セラピ>へリスの順ですが、何れも大胆なコーカサスデザインが特徴です。中でも1800年代後半から1900年代初頭に織られたセラピ絨毯はフィールド一杯に配置された大胆なメダリオンデザインとカラクル種の羊毛から紡いだ滑らかなパイル糸を使った細かい織りで人気となっています。欧米への輸出を念頭に織られていたので12平米・15平米中心の大判サイズが多く3万ドル~5万ドルといった高価なコレクターズアイテムとなっています。
バクシャイシュやへリスは地名由来の呼び名ですが。セラピという呼び名の語源は諸説有り確定出来無いよう事です。
セラピ絨毯は、へリス絨毯よりもシンプルなデザインと滑らかな裏面で見分けるそうです。独特のデザインと色彩、茜やカモミール・藍など の自然染料で染め上げたシルクの様に輝く羊毛を細かく織りあげた質感は格別です。
セラピ絨毯の多くは下記の画像のようなメダリオンコーナーの構成ですが、メダリオンの無いオールオーバータイプ(総模様デザイン)も見られます。しかし何といってもフィールドからはみ出す程の勢い有る大胆なメダリオンが魅力です。このような絨毯を広い部屋に敷いたら他の装飾は一切不要ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*上記19thのセラピ絨毯

 


お使い下さい手織り絨毯
フロムギャッベ

 

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